衆院選徳島2区・中野真由美さん落選「全ては私の力不足」

31日に投開票された衆院選は、徳島1区で無所属元職の仁木博文さん(55)が7度目の挑戦で初めて小選挙区を制した。悲願の勝利に「強い信念を持って国会で仕事をする」と宣言した。2区は自民前職の山口俊一さん(71)が11回目の当選を果たし、「新型コロナウイルス対策に全力を挙げる」と決意を語った。1区の自民前職後藤田正純さん(52)は比例四国ブロックで復活当選し、安堵(あんど)の表情を浮かべた。比例の自民前職福山守さん(68)は議席を失い、事務所は重苦しい空気に包まれた。維新新人吉田知代さん(46)は比例復活の可能性があり、固唾(かたず)をのんで開票結果を見守った。立憲民主新人の中野真由美さん(50)、共産新人の久保孝之さん(58)、無所属新人の佐藤行俊さん(73)は及ばず、肩を落とした。
女性の声を国政に反映させようと一念発起して臨んだ初の衆院選だった。しかし、夢をかなえられなかった。自民前職の厚い壁にはね返された中野さんは、「全ては私の力不足」と悔しさをにじませた。
午後8時すぎ、テレビで自民前職の当選が伝えられると、間もなく吉野川市鴨島町の事務所に姿を見せた。集まった20人余りの支持者を前にマイクを握り「私に期待し、支援していただいた方々におわびの気持ちでいっぱいです」と沈痛な面持ちで頭を下げた。駆け付けた支持者と握手を交わすうち、こらえていた涙がこぼれた。
2区では9年ぶりとなる旧民主系候補として、3月に出馬表明。新型コロナウイルスの影響で思うように活動できない中、地道なつじ立ちなどで知名度向上を図った。「期間も短く、新人にとってはかなり厳しい選挙戦だった。一人一人に訴えかける形を取ってきたが、伝わりきらなかった」と敗因を語った。
選挙戦では、北島町議会で初の女性議員となった経歴を打ち出し、ジェンダー平等や国会議員の女性比率向上を訴えた。今後については「何も考えられない」としつつ、「国政だけでなく自治体も含め、女性議員を出すお手伝いをしていきたい」と述べ、女性の政治参画への強い思いを示した。