2021/10/31 05:00

全力尽くした12日間の舌戦終え充実感【2021衆院選とくしま】

 新型コロナウイルス対策や経済政策が争点となった衆院選は30日夜、舌戦の幕を閉じた。徳島1区の仁木博文さん(55、無所属元)、後藤田正純さん(52、自民前)、吉田知代さん(46、維新新)、佐藤行俊さん(73、無所属新)と、2区の中野真由美さん(50、立民新)、久保孝之さん(58、共産新)、山口俊一さん(71、自民前)の7候補は各地で最後の訴えを響かせ、マイクを置いた。「やり切った」「審判を待つだけ」。コロナ禍で有権者と接する機会が限られる中、12日間、選挙区を駆け抜けた候補者たちは充実感を漂わせた。

 

◆1区(届け出順)

仁木博文さん 勝って恩返し誓う

最後の訴えに力を込める仁木さん=徳島市南末広町

 

 徳島市内を選挙カーで街宣。昼すぎには市内の国道交差点5カ所で、投票を呼び掛けるプラカードを手にした支持者が並び、自身は自転車で走ってドライバーに支持を訴えた。

 午後7時半すぎ、南末広町の事務所へ到着すると、約200人が拍手で迎えた。かすれた声で「明日、投票箱が閉まるまで選挙は終わらない。どうか勝たせていただき、国会に行って恩返しさせてほしい」。大きな「仁木コール」が起き、ガンバロー三唱で必勝を誓った。

 

後藤田正純さん 厳しさにやりがい

支持者に最後の訴えをする後藤田さん=徳島市問屋町

 

 大票田の徳島、小松島、石井3市町での遊説を終え、午後7時40分に徳島市問屋町の事務所に戻った。女性運動員らに花束を渡して労をねぎらうと、見守った支援者に「皆さんのおかげで悔いのない戦いができた」と感謝を述べた。

 自身の党公認を巡る自民県連との内紛を受け、県連と公明党県本部が自主投票を決定。これに反発し、県政改革を大きな争点に掲げた。「厳しい戦いだったが、政治家としてやりがいがあり、有権者の反応は良かった」。

 

吉田知代さん 徳島の声とどけたい

街頭演説で支持を呼び掛ける吉田さん=徳島市佐古三番町

 

 選挙カーで徳島、小松島各市を回り、車通りの多い交差点など14カ所でマイクを握った。応援に駆け付けた高木かおり参院議員と共に、女性の政治参画や子育て費用の負担軽減、議員報酬と定数の削減などについて力説した。

 午後8時前、徳島市の量販店で最後の演説を終えると、スタッフから拍手が湧き起こった。地縁、血縁がほとんどない徳島での戦いを振り返り、「日に日に応援の声が増えた。徳島の皆さんの声を国政に届けたい」と顔をほころばせた。

 

佐藤行俊さん 声援受けやり切る

通行人にビラを配って支持拡大を図る佐藤さん=徳島駅前

 

 午後から徳島駅前でビラを配って浸透を図った。「日増しに反応が良くなり、天皇制と自衛隊の廃止という自分の主張を広めることができた」と充実した表情を浮かべた。

 自宅のある石井町と徳島市内を往復しながら毎日30キロ以上を自転車で駆け回り、足はくたくた。それでも道行く高校生やドライバーから「がんばって」と声を掛けられたのが励みになったという。「誰にも頼らない一人きりの運動でどれだけやれるのか、結果が楽しみ」と話した。

 

◆2区(届け出順)

中野真由美さん 反応が次第に良く

マイク納めの後、支援者と笑顔で拳を合わせる中野さん=吉野川市鴨島町

 

 地元の北島町や藍住町の住宅街を重点的に巡回。有権者の姿を見つけては車を降り、頭を下げた。この日は専門学校生の次男(18)も加わり、親子で支援を呼び掛けた。

 午後8時前に吉野川市鴨島町の事務所でマイク納め。感謝の言葉を述べ、集まった支援者と拳を合わせた。2区唯一の女性候補であることを前面に打ち出して戦った12日間を振り返り「反応が良くなっていくのを感じた。皆さんの支援のおかげで楽しくできた」と述べた。

 

久保孝之さん 共闘に期待感じた

街頭演説で政権交代を訴える久保さん=上板町

 

 「政治を変える1票を。政権交代の実現を」。選挙カーで連呼しながら板野郡や鳴門市を約120キロ走った。交通量の多い藍住町の県道交差点ではマイクを握り、「野党が中心となった新しい政治は、暮らしや平和の願いを実現させることができる」などとアピールした。

 午後8時前、板野町の事務所に到着すると、スタッフや支援者に頭を下げた。国政選挙への挑戦は6度目。「前回と比べ、野党共闘への期待を感じた」と話した。

 

山口俊一さん 悔いなき戦い、感謝

 

支援者とグータッチする山口さん=藍住町

 

 吉野川北岸を選挙カーで巡り、午後7時半に松茂町の事務所近くでマイク納め。9年ぶりとなる野党第1党候補との戦いを振り返り「かつての選挙を思い出しながら戦った。不安もよぎったが、悔いのない戦いができた」とスタッフらに感謝した。

 新型コロナウイルス対策で集会を開けず、「もどかしさがあった」という選挙戦。新型コロナや経済への対策を望む声を多く聞いたといい「精いっぱいやったので後は結果を待ちたい」と語った。

 

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