24市町村長態度さまざま 地元自民前職支持多く、選挙区外の候補者支援、徳島市長らは動きなし【2021衆院選とくしま】
31日の衆院選投開票まであと1日に迫った。候補者の集票の一翼を担う県内各市町村長のスタンスはどうなのか。徳島新聞が取材したところ、16市町の首長が特定候補への支持を表明したり支援に動いたりしている。その他は中立の立場、または無回答とした。
16市町は鳴門、小松島、吉野川、阿波、美馬、三好の6市と石井、神山、那賀、北島、松茂、藍住、板野、上板、つるぎ、東みよしの10町。いずれの首長も地元小選挙区の自民前職を支持する。候補者が地元に入れば、選挙カーで一緒に回るなどしている。それぞれの首長選で応援してもらったり、国への要望活動で協力してもらったりするなど、従来から協力関係にある。
旧民主党元衆院議員の高井美穂三好市長は、2区の自民前職を支持する。7月の市長選で支援を受けており、「していただいた分は返さないと」。
2区の原井敬吉野川市長、藤田元治美馬市長、兼西茂つるぎ町長は1区自民前職の出陣式にも出席。1区内の知り合いや関係者に支持を呼び掛けている。
旧3区だった吉野川市やつるぎ町には、当時3区から選出されていた1区の自民前職の支持者が多い。兼西町長はこれまでの選挙でも精力的に応援。原井市長は初当選した2019年秋の市長選で、この前職に手厚い支援を受けた。
内藤佐和子徳島市長は20年春の市長選で1区の無所属元職と比例四国ブロックの自民前職の支援を受けた。しかし、衆院選ではどの候補者の出陣式にも出席していない。必勝を祈願する「ため書き」も事務所に送っていない。
公示前の会見でスタンスを問われた市長は「国や地方の課題は山積みで、その解決に向けた処方箋がどう示されるのか。立候補者や政党の政策、主張をしっかりと見ていきたい」と述べるにとどめた。ある市議は「県市協調で取り組んできた流れから、飯泉嘉門知事が出馬していたら応援していただろう」と話す。
19年春の県知事選で、飯泉陣営の選対本部長を務めた影治信良美波町長は、知事の出馬が見送られたことなどから特定の候補者を支援していないという。岩城福治佐那河内村長は無回答だった。