選挙 コロナ意識し投票啓発 投票日記したマスク配布、期日前の手続き簡素化 選管、周知活動を工夫【2021衆院選とくしま】

31日投開票の衆院選で投票率を上げようと、県内の各市町村選挙管理委員会が、新型コロナウイルス対策に配慮しながら啓発に力を入れている。投票日を記したマスクを配ったり期日前投票所での手続きを簡素化したりして、有権者の関心を引くとともに安全性を高めようと工夫している。一方で、衆院解散から公示までの期間が短かった上、冬場に感染の「第6波」が予想されるため、対面での周知活動を自粛したところもある。
徳島市は23日、県選管や県明るい選挙推進協議会連合会などと共同で、同市南末広町のイオンモール徳島で投票日のシールを貼ったマスク800枚を買い物客に配った。投票を呼び掛けるとともに、同店で28~30日に開設する期日前投票所をPRした。市選管職員は「マスクは受け取ってもらいやすく、すぐに使えるのでPR効果が高いと考えた」と話す。
期日前投票の手続きを見直したのは美馬市と那賀町。期日前投票をするには当日に投票できない理由を書いた宣誓書が必要で、今回初めて投票所入場券の裏面に宣誓書を印刷し、自宅で事前に記入できるようにした。期日前投票所での滞在時間を短縮するのが主な理由だが、感染リスクを減らす狙いもある。
阿南市は2017年の衆院選と19年の市長選における、期日前投票の時間帯別と日別、投票日の時間帯別の投票者数をそれぞれ集計し、グラフにしてホームページ(HP)で公開した。石井町は、19年の参院選と17年の衆院選について期日前投票の日別、参院選は時間帯別の投票者数のグラフをHPに載せた。混雑状況の参考として示し、来場者が多い時間帯や日を避けてもらうようにした。
県内の感染状況は落ち着いているものの感染の再拡大を懸念し、啓発物の配布をやめた選管も少なくない。三好市は、公示後に同市池田町の商業施設でウエットティッシュを配る予定だったが中止した。
海陽町は啓発物の配布や子育て世帯向けへのPR活動を検討していた。しかし「人を集める企画は難しいのでは」との意見が出たほか、選挙日程が想定より縮まったため断念した。
吉野川市の担当者は「コロナ禍では対面で何かを配るのは難しい。解散から投開票まで短く、事務作業を急ぐため啓発まで手が回らないのが実情だ」と話した。