2021/10/21 05:00

鳴門高全34部活動の顧問が投票呼び掛け 「期日前」配慮し練習短縮・授業で紹介 衆院選

選挙情報が載った新聞記事の切り抜きを生徒に渡し、投票を呼び掛ける森脇教諭(左)=鳴門高

 31日の衆院選投開票に向け、部活動の顧問が3年生部員に投票を呼び掛ける運動が鳴門高校(鳴門市)で始まった。2016年に選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられて以降、野球部顧問の森脇稔教諭(公民)が続けてきた声掛けが他部にも広がった。信頼を寄せる顧問からの助言を受け、選挙への関心を深めて投票所に足を運ぶ生徒が増えそうだ。

 森脇教諭は新聞記事などを活用しながら、政治や経済に関心を持ってもらう授業を実践してきた。18歳に選挙権が与えられて初めての国政選挙となった16年参院選の際は、授業だけでなく野球部の練習の合間などにも「投票に行かないと若者向けの政策が引き出せない」などと部員に危機感を持たせた。

 19年参院選では、午後8時までの期日前投票に間に合うよう、放課後の練習を早めに切り上げた。小まめな声掛けが奏功し、選挙権を持つ3年生部員全員が投票したという。

 今回の衆院選では公示前日の18日、夏に引退した3年生15人に、立候補予定者を紹介する新聞記事の切り抜きを渡して投票を促した。大塚海斗さんは「お世話になった顧問のアドバイスなので投票に行く」。森脇教諭は「まずは投票所に足を運ぶのが大切。他の生徒を誘うなどして機運が高まればいい」と期待する。

 森脇教諭が職員会議で同僚の顧問にも声掛けを勧めたところ、文化系を含む全34部の顧問から賛同が得られた。投開票日の31日は県大会と重なる部があるため、期日前投票の活用も促していく。

 県内の10代投票率は16年参院選(選挙区)36・01%、17年衆院選(同)31・59%、19年参院選(同)は抽出調査で25・13%と低水準が続く。

 横田恵理子校長は「生徒と距離が近い顧問からの呼び掛けは有効で、主権者意識を植え付けることにつながる」と話している。

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