2021/10/17 05:00

【解説】公明の後藤田氏推薦見送り 自民県連との関係に配慮【2021衆院選とくしま】

 公明党県本部が、自民党前職の後藤田正純氏を推薦しないと決めた背景には、友好関係を築いてきた自民党県連への配慮がある。自民党本部からも依頼がない中での推薦は積極的な支援と映り、後藤田氏と対立する県連との関係が壊れると考えたようだ。

 古川広志幹事長は「自民党内がねじれており、双方の顔を立てるのは難しい」と述べ、自主投票は苦渋の決断だったと言う。後藤田氏以外の候補者の支援に回るわけではなく、古川幹事長は「かなりの人が今まで通り後藤田氏を応援する」とみる。だが、公明の比例代表四国ブロックの公認候補と連動して活動することはなく、後藤田氏にマイナスの影響が出る可能性はある。

 公明は比例四国で1議席を守るのが衆院選の目標。公明支持層には後藤田氏の支援者や県連幹部に近い有権者の双方がいる。「バーター協力」が行えなくなっても、どちらかに過度に偏らない姿勢で臨むのが最善と判断したとみられる。

 公明は2017年の前回衆院選の比例で、1区内の12市町村から2万5343票を得ている。共同通信社が実施した出口調査によると、公明支持層の8割が後藤田氏に投票した。自主投票によって、票の流れがどう変わるかは不透明だ。

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