公明、後藤田氏を推薦せず自主投票 衆院選徳島1区
公明党徳島県本部は16日、連立政権を組む自民党の公認候補として衆院選徳島1区に立候補を予定している前職の後藤田正純氏を推薦せず、自主投票にすると決めた。後藤田氏から推薦依頼があった一方で、自民党県連や党本部から依頼がない状況を踏まえて判断した。県本部によると、1999年の自公連立以来、公明党が県内小選挙区の自民候補を推薦しないのは異例。
徳島市のあわぎんホールであった公明党の時局講演会で、県本部の古川広志幹事長が表明した。古川幹事長は取材に対し「自民党本部から公明党本部に対しても推薦依頼がなかった。そんな中、あえて推薦するよりは自主投票にして中立の立場を取ることにした」と説明した。この日の議員総会で幹事会の方針を報告し、出席者から異論はなかったという。
公明党県本部の決定について、後藤田氏は徳島新聞の取材に「自公連立政権の基本は、国政政党である両党公認候補の当選への相互協力だ。他の候補者を利することはあり得ない。私自身は自民党公認候補として厳粛にその基本を今まで通りぶれずに実直に守っていく」とコメントした。
自民党県連は6日、後藤田氏が「県選出の国会議員にふさわしくない」として党本部に公認申請しない従来の方針を確認。公明党県本部にも推薦を依頼しなかった。一方、自民党本部は11日に後藤田氏の公認を決定。後藤田氏は13日、公明党県本部に対して直接、推薦依頼を出していた。
自民党と公明党は、県内では公明が選挙区の自民候補を支援し、自民が比例の公明候補を支持する「バーター協力」が定着している。徳島2区は従来通り自民前職の山口俊一氏の推薦を決めている。
時局講演会は、衆院選比例代表四国ブロックに立候補する党公認候補の山崎正恭氏を応援するため、県本部が開いた。
徳島1区には後藤田氏のほか、日本維新の会新人の吉田知代氏、無所属元職の仁木博文氏、無所属新人の佐藤行俊氏が立候補を予定している。