選挙に行ける環境づくりを 四国大・本田教授に聞く

衆院選の公示を前に県内の若者100人を対象にした選挙アンケートで、投票に行くと答えたのは39人にとどまり、政治への関心の低さが改めて浮き彫りとなった。若年層の投票率を高めるためには、どんな取り組みが必要なのか。四国大経営情報学部の本田利広教授に投票率向上策などについて聞いた。
―アンケート結果で投票に「行く」が「行かない」を下回った。行かない理由で最も多かったのは「政治に興味や関心がない」だった。
選挙年齢が「18歳以上」に引き下げられた2016年の参議院選挙の際、学生を対象に同様のアンケートを行ったが、よく似た割合の結果だった。選挙権年齢の引き下げから5年が過ぎたが、若者の投票意欲は依然として高まっておらず、政治を身近に感じられていない。小学校や中学校で主権者教育が行われてはいるが、十分とは言いがたく、学校でも政治的意見を自由に発表し合うような雰囲気はない。18歳になって急に選挙権を得ても、投票に行くハードルは高いのだと思う。
―若者の関心の高い政策は「教育・子育て支援」「年金、医療、介護など社会保障」の順だった。
新型コロナウイルスの感染拡大が心理的な影響を与えているのではないかと感じた。学校が休校になったり、授業がリモートに切り替わったりと新型コロナの感染拡大後の教育環境は大きく変わった。逼迫(ひっぱく)する医療提供体制も目の当たりにしており、若者はそうした不安を解消する政策に期待しているのではないか。
―若者の投票率を向上させるため、どのような取り組みが必要か。
アンケート結果にも出ていたが、学校に投票所を設けたり、ネット投票ができるようにしたりと、気軽に選挙に行ける環境づくりが大事だ。さらに、学校や家庭で政治について話し合う機会を増やすなど、若者が政治を身近に感じられるよう行政や教育委員会、政治家、保護者らが一緒になって考える必要がある。
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