2021/10/15 05:00

衆院解散 徳島県内短期決戦に走る緊張 コロナ下、浸透どう図る

街頭演説で支持を呼び掛ける立候補予定者(左)=徳島市内

 衆院が14日解散し、事実上の選挙戦が始まった。31日の投開票日まで17日間しかない短期決戦。県内の2小選挙区から立候補を予定する自民前職は慌ただしく帰県し、陣営関係者と合流した。対する元職と新人は街頭演説やあいさつ回りを精力的にこなして支持を呼び掛けた。「何としても勝つ」「政治を変える」。新型コロナウイルス禍で有権者と向き合う機会が限られる中、いかに浸透を図っていくのか。立候補予定者の表情には緊張感がみなぎった。(社会部取材班)

■1区
 自民前職の後藤田正純さん(52)の後援会関係者は、支援者へのあいさつ回りに追われた。党公認が決まり陣営の士気は高まっており、幹部は「準備万端だ。全員一丸で支持を訴える」。午後5時前に徳島空港に到着した後藤田さんは「経験と実績、若さで徳島の安心と未来を切り開く」と決意を述べた。

 維新新人の吉田知代さん(46)は午前8時に徳島駅前で街頭演説。子育てや介護支援策、地方分権の必要性などを通行人らに訴えた。本格的に活動を始めて1週間もたっていないが、「女性からの応援を実感できるようになってきた。浸透してきている」。その後は徳島市内で支援者のあいさつ回りをこなした。

 無所属元職の仁木博文さん(55)は支持者へのあいさつ回りの後、午後4時半から徳島市内のショッピングセンター前でマイクを握り、雇用創出やコロナ対策などの政策を訴えた。政党の公認を受けずに挑むのは初めて。「過去6度の選挙より手応えを感じる。1人でも多くの人に政策を伝えたい」と意気込んだ。

 無所属新人の佐藤行俊さん(73)は徳島駅前などで政策をアピール。選挙戦に向け「多くの有権者の支持を得られるよう頑張りたい」と話した。

■2区
 自民前職の山口俊一さん(71)の陣営スタッフは、松茂町の後援会事務所でポスターや選挙公報の印刷などの準備を急いだ。午後6時半ごろ徳島空港に着いた山口さんは「コロナ対策や地方創生に取り組むために当選を勝ち取らなければ」。すぐさま事務所に向かい、後援会関係者と今後の活動方針を協議した。

 立憲民主新人の中野真由美さん(50)は午前7時から1時間、北島町の後援会事務所前の県道沿いで、行き交うドライバーらに手を振ってアピールした。日中は関係者と共に支援者へのあいさつ回りを重ねるなど既にフル回転。選挙戦に向け「ついに来たかという感じ。今の政治を変えたい」と気を引き締めた。

 共産新人の久保孝之さん(58)は、午後3時半から後援会事務所を置く板野町内でマイクを握った。コロナ対策の充実や消費税率引き下げなどを訴え、「市民と野党との共闘で新しい政治、政権交代を実現させよう」と呼び掛けた。夕方からは徳島大の学生グループが企画した公開討論会で熱弁を振るった。

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