2021/10/07 05:00

【解説】自民県連、後藤田氏公認申請せず 亀裂埋まらず選挙戦へ

 徳島県議会自民党が擁立を目指していた飯泉嘉門知事が衆院選徳島1区への不出馬を表明し、対応が注目された自民党県連は、粛々と現職の後藤田正純衆院議員を党本部に公認申請しないことを確認した。県連上層部を占める県議側の「後藤田氏は応援できない」との考えは固く、県連と後藤田氏が歩み寄る兆しはない。県内の自民党は分裂したまま選挙戦を迎えることになる。

 飯泉知事の出馬見送りにより、県議側は後藤田氏に対抗する手段を失った格好だ。それでも「後藤田氏が国会議員としてふさわしくないとの考えは変わらない」(自民県議)とする。

 自民党には「現職優先」の考え方があり、競合する候補がいなければ、これまで7選している後藤田氏を党本部が公認する可能性は高いとみられる。後藤田氏本人も「公認問題は存在しない」と自信を見せる。

 後藤田氏に公認が出た場合の対応は、最終的に県連の選対本部で決めるが、自民県議らの反発は根強い。公認されても後藤田氏を支援しない「自主投票」のような形も想定される。

 ただ党員や自民支持者に混乱が生じ、野党を利することにつながりかねない。杉本直樹会長ら新体制は、早速難しいかじ取りに直面している。(坂田佑耶)

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