【2000年6月25日投開票】徳島3区で自民・後藤田氏が初当選

初当選した後藤田正純氏

 「神の国」発言などが問題視された森喜朗首相のもとで行われ、自民党は大きく議席を減らしたものの、公明党と保守党との連立政権で安定多数を確保した。
 徳島1区では、民主党の仙谷由人に対抗するため、自民党は元農水官僚の岡本芳郎氏を立てた。自民党内では、岡本氏のほか、七条明氏が立候補に意欲を見せたため、候補者調整として選挙区と比例代表に交互に出馬するコスタリカ方式を採用して臨んだ。選挙では仙谷氏が安定した戦いを見せ、他候補を寄せ付けなかった。
 2区は、民主党が初めて候補者を擁立。会社員だった28歳の高井美穂氏が、自民党の山口俊一氏に挑んだが、届かなかった。
 3区は、元副総理の後藤田正晴氏を大叔父に持つ後藤田正純氏が、自民党から初出馬。小沢一郎氏が率いる自由党の岩浅嘉仁氏を破り、初当選を果たした。
 岩浅氏はこの後、2003年の阿南市長選に立候補して当選し、4期務めた。
このほか、比例四国ブロックでは、単独候補だった自民党の七条明氏と、公明党の遠藤和良氏が当選した。

【一口メモ】コスタリカ方式
 同じ政党の2人が、衆院選のたびに小選挙区と比例代表に交代で立候補する方法。名称は、憲法で国会議員の連続選出を禁じる中米のコスタリカに由来する。自民党は小選挙区比例代表並立制の導入時や他党にいた議員が合流した際、同じ選挙区での共倒れを防ぐ目的で活用してきた。党の都合で候補が入れ替わることへの批判も強い。

 ◆開票結果◆
 1区  当 仙谷由人(民主)  60945
       岡本芳郎(自民)  41628
       上村秀明(共産)  14164
       太田宏美(無所属) 12068
 2区  当 山口俊一(自民)  76746
       高井美穂(民主)  59693
       藤田均(共産)    9094
 3区  当 後藤田正純(自民) 77301
       岩浅嘉仁(自由)  55422
       久保孝之(共産)  11520

あわせて読みたい