【1996年10月20日投開票】初の小選挙区制、3党が分け合う

返り咲きを果たした仙谷由人氏

 小選挙区比例代表並立制による初の選挙となった。中選挙区制では全県で一つの選挙区だった徳島県内は、三つの選挙区に分かれた。

 徳島市と松茂町、佐那河内村による徳島1区は、5人が立候補した。前回社会党の公認候補として落選し、新たに結党された民主党から立候補した仙谷由人氏が、元徳島市長で自民党の三木俊治氏らを振り切り、返り咲いた。

 県西北部の徳島2区は、自民党の山口俊一氏が、共産党の新人と、新社会党の新人に大差を付けた。前回衆院選で初当選し、上板町を地盤とする自民党の七条明氏は、山口氏との候補者調整で比例四国ブロックに回った。名簿順位の4位に登載され、自民党の獲得議席が3議席だったため、落選した。

 徳島3区は小松島市以南と名西郡、旧麻植郡で構成され、地理的に離れた選挙区となった。新生党などが合併して誕生した新進党の岩浅嘉仁氏と、元県知事で自民党の三木申三氏が最後まで激しい戦いを繰り広げ、岩浅氏が競り勝った。

 県内の3小選挙区は、自民党と新進党、民主党が議席を分け合った。

 このほか、県関係では比例四国ブロックで新進党の名簿1位となった遠藤和良氏が当選した。

 

 【一口メモ】小選挙区比例代表並立制

 一つの選挙区で1人を選ぶのが小選挙区制。基本的に各政党から1人ずつしか出ないため、政党間の戦いの様相が強く、「政権選択選挙」とも呼ばれる。わずかの票差で当落が決まり、実際の投票総数の割合と、議席数の割合が大きく異なることから、「死に票」が多くなりやすい。このため、得票数に応じて議席が配分される比例代表を導入している。投票用紙には、小選挙区は候補者名を、比例代表は政党名を記載する。

 

 ◆開票結果◆

 1区  当 仙谷由人(民主)  47057

       三木俊治(自民)  41133

       太田宏美(新進)  23684

       上村秀明(共産)  11092

       金丸昌弘(無所属)  1739

 2区  当 山口俊一(自民)  86663

       栫浩一(共産)   16576

       河村洋二(新社会) 15469

 3区  当 岩浅嘉仁(新進)  64762

       三木申三(自民)  61113

       久米誠司(共産)  10138

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