【1993年7月18日投開票】最後の中選挙区制、若手2新人が当選 

初当選した岩浅嘉仁氏

 自民党に社会党が対抗する「55年体制」に代わる政治の枠組みが問われ、「新党ブーム」が起こった。自民党の一部議員が新党に流れ、自民党は過半数を獲得できず、社会党も埋没した。選挙後は、日本新党や新生党、新党さきがけなどによる非自民政権が誕生し、細川護煕首相が選ばれた。

 当時の選挙制度は中選挙区制で、徳島全県区の定数は5。副総理で自民党の後藤田正晴氏がトップ当選を果たし、自民党の山口俊一氏と公明党の遠藤和良氏も議席を守った。4位には、自民党を離党した小沢一郎氏や羽田孜氏らが立ち上げた新生党から出馬した岩浅嘉仁氏が入り、5位には自民党の七条明氏が食い込んだ。いずれも県議から転身し、初当選を果たした。当時、岩浅氏は38歳、七条氏は41歳で、世代交代も印象づけた。

 一方、社会党の仙谷由人氏と井上普方氏がいずれも涙をのみ、社会党は30年ぶりに議席を失った。

 衆院選は次回から小選挙区比例代表並立制が導入され、中選挙区制での最後の戦いとなった。全国では、後に首相となる安倍晋三氏や、立憲民主党の代表を務める枝野幸男氏らが初当選している。

 

【一口メモ】中選挙区制

 一つの選挙区でおおむね3~5人を選ぶ選挙制度。戦後まもない1947年から1993年まで続けられ、自民党内や保守系の争いが激しく、当落だけでなく順位にも関心が集まった。徳島全県区では、元首相の三木武夫氏と、元副総理の後藤田正晴氏らが激しいトップ争いを繰り広げた時代もあった。

 

 ◆開票結果◆

   当 後藤田正晴(自民) 98961

   当 山口俊一(自民)  60052

   当 遠藤和良(公明)  56884

   当 岩浅嘉仁(新生)  54582

   当 七条明(自民)   48456

     仙谷由人(社会)  46211

     井上普方(社会)  45522

     上村秀明(共産)  19193

     岸正(無所属)   13107

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