【衆院選とくしまのミカタ】(1)徳島1区に飯泉嘉門知事が出馬?
衆院選に飯泉嘉門知事が立候補するとの見方が広がっています。うわさは本当?その背景には何が?坂田キャップ、教えて!
後輩記者)
では早速。飯泉嘉門知事が徳島1区から出馬するってほんまですか。
(※徳島市、小松島市、阿南市、勝浦町、上勝町、佐那河内村、石井町、神山町、那賀町、牟岐町、美波町、海陽町)
坂田キャップ)
うん。知事は県議会6月定例会で県議に質問され、「いずれは決断をしなければならないと深く認識している」と答えたよ。ほかにも「知事としていつまでもその任にあるものではない」「素晴らしい方にバトンタッチ」とか、前向きと受け取れる言葉を使ったんだ。それに知事としての任期はまだ1年半以上残っているのに、後援会関係者がもう活発に動いているんだよ。知事5期の実績や全国知事会長としての取り組みをアピールするリーフレットを作って配っている。知事会長として2期目は目指さず、9月2日に任期を終えて交代したよ。
後輩記者)
じゃあやっぱり出るんですね。
坂田キャップ)
そう簡単にはいかないだろうね。今は新型コロナの「第5波」が全国で拡大していて、収束は見通せない。県内でも8月の感染者は954人と過去最多になり、9月に入っても高止まりしている。そんな中で知事を辞めれば「責任の投げ出し」と批判されかねない。これまでの記者会見でも、知事は「今は感染拡大を国と共に押しとどめることに全力を尽くしたい」との表現にとどめていて、なかなか態度をはっきりさせないんだ。
後輩記者)
それで、キャップはどう見ているんですか。
坂田キャップ)
出たいのは間違いないでしょう。選挙のタイミングと環境次第だね。
後輩記者)
どんな人が知事を推しているんですか。
坂田キャップ)
そもそも、自民党県連の幹事長で県議の嘉見博之氏が「(知事に)出てほしい」と4月の会合で発言し、知事の国政転身が取り沙汰されるようになったんだ。ほかにも多くの自民党県議が知事を支持しているよ。
後輩記者)
でも徳島1区の現職は自民党の後藤田正純氏ですよね。それじゃあ、党内でぶつかるんじゃあ…
坂田キャップ)
そうなんだ。だから後藤田氏は嘉見県議に対し「反党行為だ」と反発している。選挙区で議席を守るのが使命なのに、党員でもない知事を支持するのはおかしいと。県政を監視する立場の県議が知事となれ合っていると強く非難した。
坂田キャップ)
一方、県議が幹部を固める県連は5月、後藤田氏を公認候補にしないよう党本部に申し入れたんだ。異例のことだよ。申し入れ書では、後藤田氏がフェイスブックで県政や県議会への批判を繰り返している点や、過去の女性問題を挙げて「県選出の国会議員として全くふさわしくない」としている。
後輩記者)
それで公認はどうなったんですか。
坂田キャップ)
まだ決まっていない。自民党で公認調整をするのは山口泰明選挙対策委員長。現職が優先という考え方もあるけど、8月上旬に取材にしたときは「しっかりと調査し、意見を聞きながら精査する段階」と話していた。直前までは決まらないんじゃないかな。
※徳島1区には、旧民主党元職の仁木博文氏も立候補を予定しています。