2021/10/02 05:00
飯泉知事、衆院選不出馬 「県政安定」「求心力低下」県議、受け止めさまざま

飯泉嘉門知事が1日の県議会9月定例会で次期衆院選への立候補を見送る考えを示したのを受け、県議からは歓迎する意見や、今後の県政運営での知事の求心力低下を指摘する声が上がった。
知事職に全力で取り組むよう求める決議案を提出した新しい県政を創る会の吉田益子会長は「新型コロナウイルス禍で知事職を投げ出すのを防ぐことができた。県政安定のため、断念してくれて良かった」と安堵する。
決議案に賛成討論した護民官の扶川敦氏は「とくしま記念オーケストラを巡る問題についてきちんと説明しないまま国政に転身するのはおかしい」と、皮肉を込めて知事にとどまったことを評価した。
公明党県議団の古川広志会長は「最終的な本人の決断を尊重する」と話す。
決議案の採決時に全3人が退席した新風とくしまの黒﨑章会長は「政治家の出処進退は自分で決めるもので、議会でとやかく言うべきでない」とした。
「知事の出馬を巡る一連の動きは県民不在のどたばた劇だった」と批判するのは、共産党県議団の山田豊会長。「知事の求心力はかなり低下し、県政運営はこれまで以上に難しくなるだろう」とみる。
一方、知事に出馬を促してきた県議会自民党の杉本直樹会長代行は「国政の場で徳島のために力を発揮してほしいと思っていただけに残念。ただ、(知事が出馬した場合に行われる)知事選の情勢などを大局的にみれば、踏みとどまるのもやむを得ない。よく決断してくれた」と語った。(政経部取材班)