2021/10/01 05:00

三木氏「知事選」出馬意欲 山口氏「取りやめを」

 自民党徳島県連会長の山口俊一衆院議員(徳島2区)は30日、都内の議員会館の事務所で記者懇談会を開き、飯泉嘉門知事が衆院選に出馬した場合に行われる知事選に、三木亨参院議員(比例)が立候補への意欲を示していることについて「思いとどまるべきだ」との見解を示した。三木氏が、徳島など合区対象4県の議席確保などを目的に設けられた特定枠で当選しているため。三木氏が出馬表明した場合、山口氏は「特定枠創設を働き掛けた県連の責任を取る必要がある」として会長と嘉見博之幹事長が辞任する意向を明らかにした。

 山口氏は「合区対象県から参院議員を出せなくなるのを防ごうと、世論から批判を浴びながらも与党が必死になって法案を通した」と説明。三木氏が辞職すれば合区対象県と無関係の次点者が繰り上げ当選するとし、「特定枠で得た徳島の代表がいなくなってしまう」との認識を示した。

 また山口氏は、29日に世耕弘成参院幹事長から「(三木氏)本人を呼んで厳しい話をした」と電話があったことを明かした。他の合区3県連からも批判が寄せられているという。

 自民党高知県連の梶原大介幹事長は徳島新聞の取材に「特定枠は合区の解消に向けた党の意思の表れでもある。徳島、高知両県連の信頼関係にも影響を与えかねないという思いであり、本人の真意を確かめないといけない」と話した。

 これに対し、三木氏は「知事選の実施が確実になった時点で、私の考えを改めて丁寧に説明させてもらいたい」などとコメントした。(久保高茂、坂田佑耶)

 特定枠 得票が多い順に当選する「非拘束名簿式」とは別に、当選が決まる。政党が優先的に当選させたい候補者を充てる。自民党が合区対象県の現職を救済するために新設を主導し、2019年の参院選から導入されている。

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