2021/09/30 05:00
飯泉知事の「進退」不透明 県議会あす1日閉会 あいさつで言及か

徳島県議会9月定例会が10月1日、閉会する。次期衆院選が目前に迫り、徳島1区への出馬が取り沙汰される飯泉嘉門知事が自身の進退について発言するとみられる。16日の代表質問で意欲を示すなど出馬が有力視されるものの、転身した場合に行われる知事選も激しい選挙戦が予想される情勢から周辺で慎重論が出ており、最終判断は不透明な状況になっている。
飯泉氏は代表質問で自民県議に出馬を促され、「熟慮を重ねて揺るぎない決断をする」と述べた。議会で回答する考えを示しており、9月定例会の最終日に、提案している議案の議決を終えて閉会のあいさつで言及する公算が大きい。
飯泉氏が決断を表明するハードルとして挙げていた新型コロナウイルスの感染状況は落ち着きをみせている。県民に警戒を促す「とくしまアラート」は26日、政府分科会が示すステージ2相当まで下がった。飲食店への営業時間短縮要請も30日をもって全面解除される。
一方、県民の間には流行「第5波」が収束しつつあるとはいえ、コロナ禍での任期途中の転身に対する批判が根強くあり、支援者からも疑問視する声がある。加えて国政転身を見据えた知事選の動きが水面下で活発化。飯泉氏の後継として目される女性官僚が県内をたびたび訪れているほか、三木亨参院議員が意欲を見せている。衆院選徳島1区、知事選とも保守分裂選挙となる可能性が高まるにつれ、周辺からは「任期半ばで辞めて二つも厳しい選挙をしなくてもいいのでは」などの声が出ている。
知事は自らの決断について近しい人にも明らかにしていないもようで、周辺は「いろいろ考えているのでないか。ぎりぎりまで、どう判断するか分からない」と話している。