2021/11/03 05:00

野党 立民、受け皿になれず【戦い終えて 21衆院選とくしま】下

 「比例で2議席を取りたかった。想像以上に苦戦した」。衆院選比例四国ブロック(定数6)で立憲民主党が1議席にとどまり、庄野昌彦徳島県連代表は落胆を隠さない。2017年の前回衆院選では希望の党と立民が1議席ずつ獲得しており、両党の流れをくむ現在の立民の関係者は2議席獲得を期待していた。

 しかし、第3極として勢いに乗った日本維新の会に阻まれた。県内の立民の比例得票数は四国4県で唯一、維新を下回り、庄野代表は「徳島1区に公認候補を立てられなかったことも響いたのだろうか」と話した。

 1区では、自民候補に6度敗れてきた旧民主系元職の仁木博文氏が、立民への公認申請を見送って無所属で出馬し、初めて選挙区で当選を果たした。野党共闘を目指す市民団体「オール徳島」が仁木氏を推薦し、共産党県委員会は呼応したものの、立民県連は賛同せず、野党共闘は実現しなかった。

 公認候補を擁立した2区では野党間の調整が整わず共産候補も立ち、自民候補に大敗した。

 共同通信社の出口調査では、県内で無党派層のうち比例で立民に投票したのは20%未満にとどまり、維新には10ポイント近く水をあけられた。野党第1党の立民が政権批判票の受け皿として十分な役目を果たせず、浮動票は維新に流れた。

 「共闘の大義よりも、単純に自民批判を展開し、対案を示した維新に票が流れてしまった」と分析するのは共産の上村秀明県委員長。共産の県内での比例得票率は、野党共闘のために候補擁立を見送った1区で前回並みだったものの、野党候補が競合した2区で落ち込み、県内全体では減少傾向に歯止めがかからなかった。

 一方、維新の黒田達哉県総支部代表代行は「共闘した野党は個々の政策が置き去りになっていた。改革を訴える維新の主張は分かりやすい分だけ浸透した」と躍進の理由を分析する。改革色を前面に出し、自民との対立軸を明確化した。

 維新は比例四国で前回失った1議席を奪還し、存在感を示した。県内で獲得した比例得票数は前回の3倍以上となる5万4800票で、出口調査によると無党派層からの得票は政党別で最も多い3割弱を取り込んだ。10月に入って徳島1区への出馬を表明した新人の吉田知代氏は短い活動期間ながら得票率10・1%と、紙一重で有効得票数の1割という基準を満たし、比例での復活をたぐり寄せた。

 とはいえ、県内での基盤は弱い。吉田氏は「今回いただいたのは党への『期待票』。今後の活動で応えていかなければ離れてしまう」と語る。風頼みの選挙を脱却するには組織力の強化が欠かせない。

 来夏の参院選に向けては、庄野代表は「野党共闘を目指す考えに変わりはない」と強調する。自公に相対する野党共闘態勢を築き上げ、立民や共産が勢力を盛り返すのか、第3極の維新が勢力を伸ばすのか。各党とも課題を抱え、準備のために残された時間は短い。

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